創刊のあいさつ 原田凍谷
登絖社が発足し、日々活躍する仲間とともに、会員の願いは大きく進歩し、前進し、ここに、新たに雑誌『伝(DEN)』を創刊いたします。
登絖社のめざす指標を掲げてほしい。会員同士が切磋琢磨する場をという会員の書に対する。願いが皆様の前向きなご助言に後押しされ、この新たなチャレンジの一歩を踏み出す形となりました。
この雑誌名の『伝(DEN)』の「伝」は伝統の伝、伝えるの伝。それは書の文化を継承していくという大切な意味での伝、そして指導者として積極的に精神や技術を伝えていこうという伝です。そしてそのすばらしさを伝え伝えて大きな広がりへと繋げる「伝」になることを願っています。
また英語の「DEN」もあわせています。「DEN」には”趣味の小部屋”や”気持ちの良い私室”といういみがあります。最近では建築用語として家の間取りの中に一空間の名称として使われるようになり、ささやかながらこの「DEN」のスペースをとることが、亭主の夢となっているようです。つまりこの雑誌が自分の趣味の小部屋としてもあいされ、研究の場として、また作品鑑賞の場として活用され、仲間との集いの空間となってくれることを願ってネーミングしました。
この『伝(DEN)』を通じて研究発表や才能ある作家の紹介、そして書に関わる周辺の芸術に目を向けていくことになればと夢はふくらんでいきます。芸術として書を理解していくためには、様々な世界の芸術を鑑賞し、日本をより深く理解していく必要があると思います。今後も大いに研鑽を重ねて進みましょう。よりよい『伝』になるよう皆様のご意見をお待ちしております。
最後になりましたが、創刊に当たりお世話になりましたすべての方々に深くお礼を申し上げます。