BRUSH ART SHOW ’08
公募入賞作品A

足立麗玉「滝呂庵印存」

大楽華雪推薦賞
 
七つの刻印に、瓦当を加えて、半切にまとめた。篆刻の朱文と博聞、それに、瓦当の黄緑、灰色、薄青などが加わって楽しい世界を作り上げている。
宇佐見風湖 「風湖篆刻」

大楽華雪推薦賞 

藍染の下地に、6つの篆刻と「龍」と「鳳凰」の2つの拓本を配した。楽しくも、また、新鮮味あふれる作品となった。

田宮文平推薦表題の命名は刻者独自の篆刻作というイメージであろう。上部に龍、下部に鳳凰の拓を配して、全体のバックをろうけつ染めの手法でブルーに染め、そこに白文五顆、朱文一顆を布置した。奏刀にもまた優れたものがある。
大町齊邦 「挑」

大楽華雪推薦賞 

この強靱な筆線のすごさに圧倒され、思わずひき込まれる思いがした。「挑」一字を素材に、ここまでかけるのか…、まさに、「書の限界に挑む」作者の熱情の凄さを感じる。飛び散る墨の飛沫からもそれを感じる。

田宮文平注目作
発想の原点には、表題の文字があると思われるが、すでに抽象化して読めない。そこにタブロー感覚の純粋造形への思いが込められているのである。
木原光威「幻想の」

大楽華雪推薦賞  

「幻想のあんまり真赤な幻想の太陽だ」(宮澤賢治の詩より)書き出しの「幻想の」この三字でこの作品のスゴサは決定的である。揺れ動く筆線、その流動の迫力に圧倒される。

田宮文平推薦
宮澤賢治詩から「幻想」の二文字を横形式に太字造形し、その余を落款のように納めている。「幻」の潤筆主体の大きな形姿に対し、「想」は渇筆で急進的に展開した。墨彩の美しい書である。
佐藤光邦 「秋薫る」

大楽華雪推薦賞 

「秋薫」の二字を素材に抽象的に表現。新しい用材メタリックをうまく生かして成功している。ただそれだけでなく、何といっても、鍛えられた筆線、造形の確かさが、この作品を揺るぎないものにしている。
長谷川千春「激」

大楽華雪推薦賞 

「激」の草書一字が素材。大きなウネリを持たせて流動する緩やかな筆線の美しさ。淡墨による叙情を含みながら大河のような大らかさを感じさせる作である。
山本翠玲「命」

大楽華雪推薦賞 

十二支、魚、亀、等々、さまざまな命が、ここには在る。絵文字の持つ楽しい造形をちりばめ、それぞれの命鬼触れようとした。楽しい、ホントに楽しい。

つづき