BRUSH ART SHOW ’08
公募入賞作品B

安藤朱游「朱游篆刻」
田宮文平注目作

大きな盆のような仕立ての中に篆刻を配して独特である。篆刻の技法も確かだが、何といっても民芸的雰囲気が珍しく、朱游篆刻」と題するゆえんでもあろう。
安藤朱游(盆の裏)
今井香蘭「八月」

田宮文平注目作

草野心平詩を横形式15行の長丁場に書いている。漢字の造形性を主体に平かな、片カナを間として巧みに生かす。紙面いっぱいに書いて迫力がある。
辻 妙風「でたりひっこんだり」

田宮文平注目作

片カナと平かなのリズム感のよい詩を独特の感覚のタッチで書いている。潤渇変化する文字の集合が一体となった表現が個性的でおもしろい。
西田千翠「弔吉国樟堂」

田宮文平注目作

土井晩翠の詩を縦形式八行に書いている。隷書感覚の素朴さを漢字かな交じりの書に巧みに生かしている。多字数を行の書によくまとめている。
平野智山「MUGEN(無限)」

田宮文平注目作

漢字でもなく、平かなでもなく、化学記号のような造形であるが、書線をベースとしているので、独自の書造形となっている。異色の作である。
福岡優慧「落葉松」

田宮文平注目作

北原白秋の人口に膾炙した詩を淡墨で鮮やかに書く。用筆にも優れたものがあり、一節ごとに散らして書いたので、純白の空間が生彩を放つ。緑色の文字をフチどるように墨が発色しているのも効果的だ。
市崎一麦「蝶戯魚游」

田宮文平注目作

オーソドックスな草書四言句の作であるが、それがかえって新鮮に見えるから不思議だ。用筆がしっかりして、点画kの間、潤渇変化も効果的だ。
山本竹醉「祝酒女」

田宮文平注目作

横形式に表題の文字が、古代文字で造形されている。祝の朱色、酒の墨色、女の紫色がよく混合して、華やかな造形書に仕上がって独特である。

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