BRUSH ART SHOW ’08
会員入賞作品
愛知県美術館の一番奥の壁面に入賞作品が並ぶ。 | |
![]() |
辰井渓宇「一握の砂」 中野北溟ブラッシュアート会員賞 添えた小字の字数に難はあるが、しかし、啄木の歌である以上は書かざるを得ないであろう。大字は紙面全体を自分の中に溶解しているだけに空気が大きい。凝結し拡散する動きを加味して、そこのところに或る種の存在感を得たい、とするこの作家の真摯さが尊い。 田宮文平注目作 石川啄木の歌から表題の文字を大字造形し、その余を落款のように布置した。大字の用筆がしっかりとし、淡墨の墨彩も一際、美しくひびく。 |
![]() |
打田翠琴「五風十雨」 大楽華雪推薦賞 甲骨文字を素材に、新しい表現形式を取り入れた魅力的な作品。紫の潤い或る''ニジミ'が何ともいえない。古代文字による造形の楽しさを生かしながら、更に叙情味を加えて新鮮である。 田宮文平アート大賞 標題の四言句を甲骨文字でみごとに造形している。書として斬新で優れているばかりでなく、ロウ染めの手法を駆使して色彩豊かに仕上げているのが素晴らしい。、あさもブラッシュアート展の大賞にふさわしい作である。 |
川上大雪「天晴」 大楽華雪推薦賞 大いなる宇宙を悠飛する筆線。スケールの大きい作品。淡墨による叙情、それでいて流れる筆線は強くたくましい。そして、その筆線に包まれる余白も、生きて美しい。 |
|
永田紅玉「空想」 大楽華雪推薦賞 ''空想は鳥である その鳥を追うとき 私もまた鳥になる……''「串田孫一」の詩を素材に弾む造形と線で、楽しい夢の世界をつくり上げている。 |
|
![]() |
加藤秀慧「鶏狗之聲相聞」 田宮文平注目作 標語の老子による六言句を古代文字で鮮やかに造形し、同文字の陰刻の印を「之」の字のうえで金彩で布置するという意表を突く大胆な作。 |
![]() |
西原美e「希望」 田宮文平注目作 縦形式の抽象作であるが、発想の基には文字性があるように感じられる。シャープな筆致が純白の空間に鮮やかに躍動している。 |